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Android2.3(Gingerbread)の凄いところをまとめてみた

Gingerbread

Xperia arcにも搭載されるAndroid2.3(Gingerbread)は、アンドロイドの現時点での最新バージョンです。世界では既に「Nexus S」というAndroid2.3を搭載したGoogleのリファレンス機が発売されていて実際にそれを使用している人がたくさんいるでしょうが、国内では未だAndroid2.3を搭載した端末はありませんので、大部分の人がそれに触れたことはありません。

しかし注目のXperia arcが3月下旬にドコモから、そして5月以降にauからも発売されるということで、それまでに一度Android2.3(Gingerbread)のことについてまとめておこうと思い、記事にしてみました。

Gingerbread

2.3になって進化した部分をひとまず箇条書きにしました。私も素人ですが、調べて分かった範囲で説明していきたいと思います。

  • SIP(VoIP)スタックを標準装備
  • 近距離無線通信「NFC」に対応
  • その他インターフェースの追加
  • UI変更により向上した操作性
  • アプリケーションの高速化
  • マルチメディア機能の充実

SIP(VoIP)スタックを標準装備

開発者側からすると見出しのような言い方になるのでしょうが、エンドユーザー側からすれば要するにVoIPが標準で利用可能になるということだと思います。VoIPというのはIP電話やインターネット電話などのインターネット回線を使って音声をやり取りする技術のことで、”Android au”で聞きなれた『Skype』もこのVoIPを利用した通信サービスです。

これまでもSipdroidSkypeなどのアプリでこれを利用できていましたが、2.3ではOSレベルでサポートすることにより使い勝手や機能の拡張性が大幅に向上しているとのことです。

VoIPには音声品質やセキュリティーの面で欠点もありこれまでの有料通話から完全にシフトすることは当然できないとは思いますが、とはいえVoIPがスムーズに行える環境があれば、通話料をいくらか軽減させることはできそうです。

スマートフォンになって通信料をこれまでよりも多く支払っている訳ですから、こういう機能を使って通話料を軽減させる権利はあると思います!

近距離無線通信「NFC」に対応

NFCという言葉を耳にすることが多くなりました。NFCというのは近接無線通信の規格のひとつで、厳密には異なりますが「おサイフケータイ」をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。まだ国内ではNFCに対応した読み取り端末が無いのでおサイフケータイのような使い方はできませんが、Felicaと互換性があるためにそう遠くない将来そうなってくるのは間違いありません。

またNFCは対応端末同士を近づけることでデータをやり取りしたり、NFCチップが内蔵された店頭ポップなどに端末をかざしてクーポンを受け取るなど、決済以外にも様々な使い方が検討されています。最近ではmixiが世界初のNFCを使ったサービスを提供して話題に上りました。

※ちなみにXperia arcはAndroid2.3を搭載しますがNFCには非対応です。その理由について以前書いた記事がありますが、今考えるとやっぱり有るに越したことはないなと思います。当時はNFCの活用例として今のFelicaのような使われ方しか想像できませんでしたが、mixiの新サービスやtagletと呼ばれる情報共有サービスの登場により、決済以外での活用法も見出せるようになったからです。NFCを使った画期的なサービスが今後早期に登場することになるかもしれません。

その他インターフェースの追加

複数カメラを制御NFC以外にも、複数のカメラを制御するライブラリの追加やジャイロスコープなど新センサーへの対応など、各種インターフェースが追加されています。

複数カメラの制御をOS自体がサポートすることによりこれまでアプリ開発者やAndroid端末ベンダーが独自で拡張してきたカメラ周りのAPIが整備され、複数カメラを活用したアプリがもっと手軽に作れるようになりました。

センサーでは、新たにジャイロスコープや回転ベクトル(デジタルコンパス)、直線加速度、重力、気圧センサーなどのAPIが加えられています。これらによってナビアプリの機能追加や、これらを活かした複雑な入力に対応する3Dゲームも誕生することになるかもしれません。

UI変更により向上した操作性

操作性に大きく関わるユーザーインターフェースにも変更が加えられています。

一番印象的なのは文字選択機能の実装でしょう。下図のように範囲選択する際にカーソルが表示され、始点と終点の決定がよりスムーズにできるようになりました。これまではテキストを選択する際にある意味フィーリングでやっていた節があり、うまくいかずにヤキモキしたことも多々ありましたが、これからはそういうストレスからも開放されることでしょう。

またホーム画面からアプリ管理画面にすぐにアクセスできたり、バッテリー消費状況を確認できたりと、システム管理面での機能も改善されています。

テキスト選択 システム管理機能の改善

アプリケーションの高速化

特にゲームへの最適化が進んだと言われています。詳しくは調べきれませんでしたが、マルチコアCPUへの最適化、新しいビデオドライバの追加、コンカレント・ガーベージコレクションと呼ばれるメモリー管理技術の採用、タッチ&キーボード操作の反応性向上、MWC2011で発表されたXperia Playに搭載されているようなゲームコントローラのサポート、先述の新センサー追加、などがゲームを快適に動作させたり、操作できたりすることにつながっているようです。

その中でもコンカレント・ガーベージコレクションの採用は大きな進歩となり、これによってメモリー管理が効率化されたことで、マルチタスク時にしばしば生じる小さなフリーズを回避したり、反応性を向上させたりすることが出来ているとのことです。

マルチメディア機能の充実

圧縮率が高い動画フォーマット「VP8」やオープンソースの動画規格「WebM」など、新しい音楽・動画フォーマットを新たにサポートしました。またこれまで標準ではサポートされていなかった「AAC」や「AMR」といった音声フォーマットにも対応するようになりました。

さらに、人気の音楽プレイヤーアプリ「PowerAMP」のようなイコライザ、バスブースト、ヘッドフォン使用時の仮想サラウンド、エコーと言ったオーディオエフェクト機能が追加され、標準で利用することができるようになりました。

まとめと、日本での導入時期について

わかりやすくお伝えできるはずが、なんだかとてつもなくまとまりのない感じになってしまいました。そして高確率でどこかしら間違って解釈している部分があると思われます。

日本での導入時期については、3月25日に発売されると言われているXperia arcが初のAndroid2.3搭載機になると思います。このように他キャリアにおいてもしばらくは2.2搭載機種と2.3搭載機種が入り混じった形で登場することになりそうですが、夏モデルではほぼ全ての端末がAndroid2.3以降を搭載してリリースされるのではないでしょうか。

なお、既に販売されている端末の中ではGalaxy SとDesire HDが2.3へのアップデートの期待があると言われています。国際モデルは国内特化型と違いおサイフケータイなどの機能はありませんが、こうして新しいバージョンのOSが使える可能性が高いというところにメリットがあったりします。