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ARROWS Tab LTE(F-01D)ファーストインプレッション

ARROWS Tab LTE F-01D

ARROWS Tab LTE F-01D

9月9日に東京・有楽町にあるドコモスマートフォンラウンジにて、8日に発表された富士通製Xi対応タブレット「ARROWS Tab LTE(F-01D)」に触れてきましたので、感想を書きます。

縦横のサイズは他の10インチクラスのタブレットと比べて大差なく、特別な印象は受けませんでした。厚みは11.3mmと寸法上は薄いのですが、感動するレベルではありません。持ってみると軽く感じます。Galaxy Tab 10.1とは30gの差(ARROWSの方が重い)がありますが、他の10インチタブレットは平均して700g程度であることを考えると、600gを切る本機は十分軽いです。

端末側面は格子状の装飾が施されています。防水仕様なので、”タフさ”を演出しているのかもしれません。滑り止めの効果もあるのだと思います。充電中を表すLEDランプが格子の内側から光っていて、いい感じです。

背面の素材は恐らくプラスティックで、押すと少したわみます。パールのような上品な艶があります。

背面にはカメラがあります。フラッシュは非搭載のようです。電源ボタンとボリュームボタンが背面に配置されています。背面に電源ボタンを配置するのはKDDIのXOOMも同じですが、XOOMは丸く大きなボタンなのに対してARROWSは長細い小さなボタンなので、押しにくく感じました。ボリュームボタンも同じく、押しやすいとは決して言えません。背面下部にはクレードル用の端子もあります。

左側面にはオーディオジャック、microUSBポート、SIMカードスロット、microSDカードスロットがあります。防水のため各端子にはカバーがつけられています。

上面には何もありません。底面にはクレードルに固定するためのソケットがあります。

外観や端子類はこんなところです。ほとんどのタブレットが汎用性のない専用の充電端子を備えているところ、本機はmicroUSBでの充電が可能ですので、その点は好感が持てます。充電時間が気になるところではあります。

次はUI・機能についてです。

本機も基本的にはHoneycombの標準UIを踏襲しつつ、各所に細かいカスタマイズが施されています。画面右下から展開可能なクイック設定パネルでは、マナーモードやBluetooth、GPS、Wi-Fiテザリングなど、よく使う項目が順序良く並べられています。

また、Galaxy Tab 10.1でも同じですが、ホームボタンを長押しすることでタスクマネージャが立ち上がります。不要なタスクを終了させることができて大変便利です。

ドロワーではアイコンのソートが可能で、名前順、ダウンロード順、利用頻度順、カスタマイズ順で並び替えることが出来ます。それと大変便利だなと感じたのが、ドロワー画面の下部にホーム画面の縮図が表示されている点です。アイコンをホーム画面に持って行く時にドロワーが毎回閉じられることがないので、シームレスに連続して配置していくことが可能です。

スタイル変更という機能が備わっています。壁紙だけではなく、操作&通知バーの色やスタイルを一括してがらりと変更する機能です。うろ覚えですが、配置したアイコンやウィジェットの状態も記録できたと思います。使う人によってスタイルや状態をさっと切り替えられるのは、複数のユーザーで使うことが想定されるタブレットにおいては大変便利です。

ワンセグに対応している点も魅力の1つです。ワンセグ放送の解像度は320×240と低いため大画面を活かした高画質映像で視聴するというわけにはいきませんが、チャンネルボタンを展開したまま映像がみられるのが良いと思いました。フルスクリーンにすることもできますが、かなりジャギーが入ってしまい汚いです。字幕はギリギリ見られる程度です。

受信感度は大変良く、窓から数メートル離れた屋内でも良好でした。同じ位置でGalaxy S IIは受信できませんでした。(Galaxy S IIは元々受信感度が悪いので比較にはなりませんが。。。)。録画にも対応しています。

文字入力は、変換精度の高さで定評のあるジャストシステム社のATOKをベースに、富士通製端末向けにカスタマイズされた「NX!input」というIMEがプリインストールされています。大画面のスペースを上手に使って入力文字の種類を簡単に切り替えられるように手元に切り替えボタンが配置されていたり、大画面でより実用性が高まる手書き入力にも対応しています。

設定の中に基本設定項目があり、初期設定項目に簡単にアクセスすることができるようになっています。

Dolby Mobileを搭載しており、迫力のサウンドを楽しめます。

本機は防水仕様となっていますが、濡れた指ではどうしてもタッチでの操作ができません。また、料理中などの汚れた手でタッチ操作するのも気が引けてしまいます。そこで活躍するのが「ハンドジェスチャーコントロール機能」です。フロントカメラに手をかざして上下左右に動かすことで端末の操作が可能で、例えばブラウザでのページスクロールや進む・戻る、ワンセグでのチャンネル切り替えなどを行うことができます。試作機では反応しないことも多々ありましたが、スタッフ曰く発売日までには調整するとのことでした。

Android3.2から実装された新しい拡大モードも使えます(Galaxy Tab 10.1やSony Tabletなどでももちろん使えます)。

マルチタッチの同時認識数は10点でした。Antutu Benchmarkでのトータルスコアは4619でした。試作機の段階で既存のXOOMやOptimus Pad、Eee Pad Transformerなどと同程度のスコアですので、製品版ではもう少し向上する可能性もあります。

動作は全体的に軽快でした。チップセットはNVIDIA Tegra2ではなく、TIのOMAPが採用されています。複数のベンチマークで計測すればグラフィックス性能など各所で特徴が明確になるでしょうが、そこまでの検証はしていません。少なくとも基本動作部分での違いは無いように感じました。

Androidバージョンは3.2。カーネルバージョンは2.6.35.7。ビルド番号はV00R10Fとなっていました。

ご存じの方も多いでしょうが、Honeycomb端末ではAndroidバージョンの項目を高速タップすることでハチのキャラクターが表示されます。Gingerbreadのゾンビの絵と同じ要領です。

総評

F-12Cといい、富士通製はなかなか良いですね。

防水仕様のAndroidタブレットは珍しい(コンシューマー向けとしては初?)ですし、濡れた手で操作できないというタッチパネルの弱点も、ハンドジェスチャーコントロール機能でうまくカバーできています。これなら台所でレシピサイトを閲覧しながら料理を作るなんてことも、時間がない中でお風呂で苦し紛れにテレビを見たりすることも十分可能でしょう。

ユーザインターフェースもよく作りこまれていて、便利さが追求されています。タブレット端末でここまで細かな気配りのきいた端末は他にないと思います。特に複数人で使われることが多いタブレットにおいて、スタイル変更は重宝される機能だと思います。

動作面は、基本操作においては全く問題がありませんでした。Youtubeでの高画質映像もスムーズに再生できていましたし、Googleマップでのストリートビューも軽快でした。ブラウザでのページ表示・拡大・縮小時の動作も悪くありません。

外観はGalaxy Tab 10.1ほどスタイリッシュではありませんが、既存の他の10インチタブレットと比べては十分に進化しています。重量を600g以下にまとめてきたことは素晴らしいと思いました。

これで高速通信サービスXiにも対応しているわけですから、インドア、アウトドアの両方で楽しめる、非常に活用シーンの多い端末に仕上がっていると感じました。

2件のコメント

  • ただXiがまだまだ不安定な中,3Gが最大7.5までというのが辛いですね…

    • コメントありがとうございます!

      確かにGalaxy Tab 10.1 LTEは下り最大14mbpsのFOMAハイスピードに対応しているのは魅力ではあるのですが、実は実測値では然程変わらないというデータもあるようですよ。

      結局はXiの提供エリア拡大を早期にやってもらうことを望むほかないのかもしれません。