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HTC J ISW13HTをレポート【UI・機能編】

HTCが4月20日に発表したKDDI向けスマートフォン「HTC J ISW13HT」に触れてきました。外観編に続き、今回はUIや機能面でのレポートをしたいと思います。

注)本記事で用いた端末は開発段階のものであるため、製品版とは仕様や挙動が一部異なる可能性があります。

ホーム画面など基本部分のインターフェース

UIはHTCオリジナルの「HTC Sense」です。その最新版である4.0が搭載されています。ロック画面から電話やEメールなどに直接アクセスできるのに加え、ロック画面上で新着が確認できたり、ホーム画面のページ数を変更することなどが出来るようになっています。またDropboxとの連携もはかられていて、2年間、25GBの容量を無料で利用可能です。普段Dropboxを使っている方ならメリット大ですね。

基本的に全てオリジナルのUIにカスタマイズされていると言っていいと思います。Android4.0らしさをあまり感じません。

  

アプリ一覧(ドロワー)です。下部にはカテゴリーが、上部には検索などのメニューがあります。最初の画像を含め、これが現時点でプリインストールされているアプリ一覧となります。おサイフケータイやワンセグのアイコンも確認できます。

ウィジェットやショートカットを追加する画面です。Android4.0標準ではアプリ一覧から呼び出しますが、本機ではAndroid2.3以前と同様にホーム画面の空いたスペースを長タップして呼び出します。画面上部にはホーム画面の縮図が表示され、目的のウィジェットやショートカットをドラッグ&ドロップすることで配置できます。

ステータスバーはシンプルなものに変更されています。クイック設定タブが省かれた代わりに、設定へのショートカットが追加されています。

設定を開くと、その場で設定のON/OFF切り替えが出来るようになっています。

これは何かというと、「タスク履歴」です。本体前面下部に3つならんだキーのうち、一番右のキーをタッチするとこの画面になり、最近使用したアプリの一覧を見ることができます。各タスクを上にスワイプすることで消去することもできます。

ブラウザ

ブラウザもかなりカスタマイズされています。

動作は非常に軽快です。拡大・縮小も何のその。ピンチ操作での拡大時に自動的にテキストが画面端で折り返されるのが良いです。

ブラウジング中に下にスワイプすると、画面下部にメニューが出てきます。出し方が少し変わっているので、意識しないで出せるようになるまで多少の慣れが必要かもしれません。

音楽再生

「サウンド」には力が入れられています。提携したBeats Audioの技術が使われていて、付属の専用ヘッドセットを本体に挿すことで「Beats Audio」が起動し、曲ごとに最適な信号処理がされます。

付属の専用ヘッドセット。本体カラーがブラック、レッドの場合は黒いヘッドセットで、ホワイトの場合は白と銀色のものが同梱されます。もともと1万~1万5000千円くらいするものらしいです。(聞くところによるとヘッドセット自体の音質はあまり良くないらしい。Beats Audioは専用ヘッドセットじゃないと有効にならないらしいので悩ましい。)

再生中の画面など基本的なUIはさほど目新しくないです。こんな感じ。

しかし「ミュージックハブ」という新しい機能が搭載されていて、保存した音楽データや音楽系アプリを統合することができるようになっています。データがクラウドにあってもローカルにあっても、音楽再生アプリが複数インストールされていても、いつもここからアクセスすることができ、迷うことがありません。

カメラ

カメラ機能は本機において最も注力されている部分です。F値2.0のレンズや裏面照射型CMOSセンサーによって、会場内でも明るい写真が撮れました。

シャッターチャンスを逃さない仕組みがいくつか組み込まれています。0.7秒でカメラが起動する「高速起動」や、被写体との距離によってフラッシュの明るさを自動調整する機能、最大99枚まで連射して最適な一枚をチョイスできる機能、異なる露出で撮影した写真を合成する「HDR撮影(同時3枚)」などです。

カメラのUIです。動画撮影の開始ボタンと、カメラのシャッターボタンが横並びで配置されています。

こうしてある理由は2つ。ひとつめは、撮影モードを切り替える必要がなくなるからです。動画と写真のモード切替が初心者には難しいらしく、モード変更せずに意図した撮影ができるようにしたかったのだそうです。

もう1つの理由は、本機に備わった「Video pic」機能を使うためです。「Video pic」機能では、動画撮影中にカメラのシャッターボタンを押すことで、並行して写真も撮ることができます。なお、撮影し終わったコンテンツから静止画を切り出すことも可能です。

シャッターボタンの右の青い○を押すと、フィルターをかけることができます。フィルターの有効/無効ボタンが近くにあることで、雰囲気の違う面白い写真を簡単に撮ることができます。

もちろんカメラシーンなども選択できます。「HDR」はiPhoneに搭載されたそれよりも優れていて、同時に露出の異なる写真を3枚撮影し、それを合成して最適な一枚に作りあげます。「スローモーションビデオ」なんてのもあるんですね。

ワンセグ

本機には、おサイフケータイや赤外線通信のほか、ワンセグも搭載されています。ワンセグ用のアンテナは本体に組み込まれておらず、付属のヘッドセットを利用することで視聴できます。(確認しませんでしたが、専用ヘッドセットじゃないと再生できないかもしれません。)

画像はまあワンセグなので、良いとはいえません。録画できます。

ディスプレイ

有機ELが採用されているのでコントラストが高く、大変鮮やかに表示されます。しかし弱点もあり、Pentile配列のためにサブピクセル数が少なく、アイコンやフォントの縁に滲みが確認できます。Pentile配列でもGalaxy NexusのようにHD(1280×720)クラスの解像度があるとあまり気にならないのですが、QHD(960×540)ですとどうしても汚く見えてしまいます。

特にブラウザでのフォントの滲みは個人的に大変気になります。まあ使い始めれば慣れてきて何とも感じなくなるとは思いますけどね。

とは言え、こういう鮮やかな写真や動画を表示するのは得意で、わっ!と思わず感動してしまうほど綺麗に見えます。完全に好みの問題ですから、他の液晶採用端末と一旦見比べてみるのも良いと思います。

SIMカードは使える?

リアカバーを外したところです。今作ではau ICカード(SIMカード)に対応しており、スロットがあることも確認できます。au ICカードへの対応は要望がとても多かったそうです。これで同一回線の使い回しが容易になりました。microSDカードスロットもあります。

システム情報・ベンチマーク

 

内蔵ストレージは合計で16GBです。うち実際に使えるのはシステムメモリ約2GB、ユーザメモリ約10GBとなっていました。これだけあれば基本的な用途では困りませんし、microSDカードもサポートしているので安心です。

 

指標の1つに過ぎませんが、一応ベンチマークも測定してきました。Quadrantで4885、AnTuTuBenchmarkで6936でした。Snapdragon S4搭載だけあってさすがにすごい値です。クアッドコアCPUのTegra3よりもスコア的には良いらしいですよ。

ただ何故マルチタッチ最大同時認識数が「2」なのかという・・・。私は2点で困ったことはありませんが、ゲームなど一部のアプリで支障があるかもしれません。最近のトレンドから言うと5~10点が普通なんですけどね。(※追記:本機に搭載されているジェスチャー機能を無効にすることで同時5点まで認識するようになるようです。)

動作について

あまりグリグリといじってこなかったのですが、雑感として全体的にかなりサクサクとしていた印象でした。しかしホーム画面やアプリ一覧でのページ遷移時など、一瞬「カクッ」とする挙動はこれまで同様に残っていました。OSレベルの問題なんですかね。既にYoutubeなどで動画が公開されているようなので、気になる方はご覧になってみては如何でしょうか。

総評

Android2.3以前から継承されたUI、誰でも簡単に綺麗に撮れるカメラ、スリム化・軽量化されたボディー、カラーラインアップ、日本市場向け機能の搭載と、全体的に一般層に受け入れられるための努力を注ぎ込んだという印象です。その土台の上に、高速通信WiMAXや最新チップセット搭載など、最新技術もしっかりと乗っかり、幅広い層に受け入れられる隙のない機種に仕上がっていると感じました。

4件のコメント

  • >Galaxy S II LTEのようにHD(1280×720)クラスの解像度
    国内のGalaxy S II LTEは800×480ではないですか?

    • 何を勘違いしたのか。。。すみません間違えていました。そして修正しました。
      ありがとうございました!

  • このブログは、いつもauに1番厳しいなぁ。

    主のお気に入りはdocomoって感じが色濃く出てるような・・・

    4インチQHDでペンタイルが汚いとは思えないが・・・(実物確認したが)

    SBのデルスタークなんて5インチでWVGAだから・・・

    色合いは、赤ドットが少ない分、赤の光度を上げてバランス取ってるので問題があるとすれば、解像度だが・・・PCなんて15インチで1350×750くらいしか無いわけで・・・iPhone3GSなんて3.5インチで480×320しか無いし・・・
    4インチといってもiPhoneの3.5インチと面積差があまりない縦長画面で960×540なら十分でしょ。
    DVDの解像度だって最大でも600×400くらいだし。

    • 書き込み有難う御座います!

      > このブログは、いつもauに1番厳しいなぁ。

      偏りなく書いているつもりですよ。ただiPhoneを扱わない分Androidでは一番魅力的な製品を出しているとは思っています。それと自分のメイン回線がdocomoなので、どうしても興味がそっちへ偏るというのはあります。

      > 4インチQHDでペンタイルが汚いとは思えないが

      絶対的ではなくて相対的にです。それも比較対象はスマホのみ。XperiaとかAQUOS PHONEとか、その辺と見比べてみると、私としてはやはり汚いという印象です。でも個人差ありますからね。