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AQUOS PHONE ZETA SH-09Dの使用5日目のレビュー、Galaxy S III SC-06Dとの動作比較も

AQUOS PHONE ZETA SH-09Dレビュー

AQUOS PHONE ZETA SH-09Dレビュー

購入してから5日目で実際にはまだほとんど触れていない「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」ですが、現時点でのユーザーレビューをしてみたいと思います。

持ちやすさ/ボタン・キーの押しやすさ

  • 背面が大きくラウンドしているので安定感があって持ちやすい。
  • 操作キーは”オンスクリーンタイプ”なので慣れないうちは煩わしく感じるが、慣れると楽。
  • 操作キーのタッチ時のレスポンスは悪くない。
  • 操作キーに「メニュー」も「タスク履歴」もあって良い。
  • イルミネーション部分は透明素材となっていて、端末を伏せた状態でも発光を確認でき、着信や新着メールに気が付きやすい。

本機種は画面上に擬似的な操作キーを描画する、いわゆる”オンスクリーンタイプ”の操作キーを採用しています。ホームボタンを押してディスプレイONにすることができないなど不便な点もありますが、物理的に力を加えて押し込む必要がないので、慣れてくると逆に物理式のキーを押すのが煩わしく感じるほど操作が楽になってきます。タッチ感度は悪くなく、ストレスを感じることは一度もありませんでした。

操作キーの並びは、左から「戻る」「ホーム」「メニュー」「タスク履歴」。Android4.0搭載端末ではメニューキーとタスク履歴キーのどちらか一方だけを搭載しているものがほとんどですが、本機種ではこの両方を搭載し、Android2.3以前の操作性とAndroid4.0以降の新しさを両立させています。

 

ホームアプリ/ロック画面

  • 3ラインホームは癖が強すぎて慣れるのに時間がかかる。
  • 3ラインホームは少なくとも慣れるまでは使いにくい。
  • 3ラインホームが嫌だったら「SHホーム」をダウンロードして使うべし。
  • ロック画面は悪くはないが、意外にもカスタマイズ性が低い。

プリインストールされている「3ラインホーム」はメーカー純正のホームアプリで、”目的のアプリがすぐ見つかる直感的なホームアプリ”を目指して新開発されたものです。まだ数日しか使っていないので熟知していませんが、少なくとも慣れるまでは3ラインホームは「使いにくい」という結論となりました。その原因は以下の3つと考えられます。

  1. スクロール時に誤操作が頻発する。
  2. アイコンの整理が面倒。
  3. 操作キーの内容が通常と異なるので混乱する。

縦にスクロールしたいのに横に動いてしまったり、横に移動したいのに縦にスクロールしてしまったり、メニューが意図せず出てきてしまったりと、誤操作を頻発してしまいます。使用頻度の高い部分なので小さなストレスでも積み重なって大きな苛立ちに発展します。

また3ラインホームは縦スクロール型なので、下の方のアプリの扱いが厄介です。アイコンをドラッグ&ドロップで場所移動する際は、下からじりじりと上に移動するまで気長に待つ他ありません。また下に下にアプリがどんどん追加されていくので、使いやすいようにするためには常に整理しておく必要があります。これは時間が無い人には酷です。一度管理を怠れば、今度は何がどこにあるのか分からないという状態に陥ることになるでしょう。

操作キーについては、通常は左から「戻る」「ホーム」「メニュー」「タスク履歴」と並んでいるところ、3ラインホームのホーム画面を表示しているときだけ「電話」「メール」「ブラウザ」「タスク履歴」へと内容が変動します。これが混乱を招きます。多少の不便さを残してでも、操作キーだけは無意識でも扱えるように限りなく単純化する必要があるのではないかと感じました。

なお、3ラインホームを使いたくない場合、Google Playストアからメーカー純正の「SHホーム」というホームアプリをダウンロードして使うことができます。こちらは従来からシャープ製端末に採用されてきたAndroid標準スタイルに近いホームアプリなので、一般的なAndroid機の操作に慣れている人には特にウケが良いと思います。操作キーも固定されます。

ロック画面については、電話やメールを直接起動できるショートカットや、天気やバッテリーのパーセント表示が確認できたりと基本的な部分は良いです。しかしショートカットは内容をカスタマイズすることができず、また天気以外のニュースや株価などの情報は表示することができないなど、カスタマイズ性に欠けているという印象です。この辺りが改善されれば、尚良いです。

 

カギのマークを下にスライドすると画面ロック、上にスライドするとショートカット表示。画像部分は左右にスワイプして画像を切り替えられる。時計部分は左右にスワイプして天気情報を閲覧可。バッテリーのパーセント表示も有り。

 

ディスプレイ

  • 4.7インチは大きくて迫力があって良い。
  • ナチュラルな発色は好感が持てる。
  • 画質モードの変更で鮮やかな表示ができるのも嬉しい。
  • 精細感が高くフォントやアイコン、画像等が綺麗に見える。
  • 非常に明るく、野外での視認性は高い。
  • 覗き見を防止する「ベールビュー」は地味だが嬉しい。
  • 暗い部屋で使用しているとバックライトが小刻みに暗くなったり明るくなったりする。

個人的にシャープ端末のディスプレイは好感度が高いです。落ち着いた発色でクドくなく、精細感も高いです。もし写真や動画を見る際に迫力を出したいと思ったら、画質モードを変更すればそれも可能です。

特筆すべきは屋外での視認性の高さです。新開発の「Super-CGSilicon液晶」が採用されているためか、日光の下でも高い視認性を実現しています。

左からGalaxy S3、ZETA、Xperia arc。arcは善戦しているが、やはりZETAが最も明るくて見やすい。

 

ひとつ不具合に近い欠点があります。それは特定環境下で、小刻みに暗くなったり明るくなったりを繰り返す事象が発生することです。特に暗い部屋でWEBサイトなどを見ているときに発生し、時折気分が悪くなります。この点はアップデートで早急に改善してもらいたいところです。

動作速度・安定性/タッチレスポンス

  • 動作は基本的に高速でストレスはさほど感じない。
  • 快適さを保つために、一定周期で自動的に端末を再起動する機能が備わっている。
  • 標準ブラウザは時々強制終了する。
  • タッチレスポンスは悪くない。ただし切れが悪い。

Galaxy S III SC-06Dとの比較動画を撮影してみました。左がAQUOS PHONE ZETAで右がGalaxy S IIIです。

動作速度は速く、なかなかの快適さです。Galaxy S III SC-06Dと動作速度を比較しても、たとえばブラウザではZETAの方がページの読み込みが早く完了したりして、パフォーマンスの高さをみせつけてくれます。

ただ、動作の節々で動きが悪くなったり、止まってしまったりと、SC-06Dと比べてやや不安定さが目立つところもあります。これはもしかするとRAMのサイズの違いによるものなのかもしれません。しかしそのビハインドを挽回するためか、ZETAには「端末クリーンアップ機能」というものが備わっています。これは一定周期で自動的に端末を再起動してパフォーマンスを一定に保つためのもので、設定すれば寝ている間に勝手に再起動していつもどおりの動作に整えてくれます。同様のサードパーティー製のアプリもありますが、標準搭載されているというのが初心者には易しくて良いと思います。

差がつくのは、やはりタッチレスポンスです。画面スクロールやピンチ操作での拡大・縮小時、より指に吸い付いてくるような印象を受けるのはGalaxy S IIIです。実用面では全く問題の無いレベルなのですが、操作の気持ちよさはだいぶ違ってきます。ZETAが決して悪いわけではなく、特別SC-06Dが良いと考えるべきだと思います。

残念に感じたのは、指を離した時の”切れ”の悪さです。操作が終わって指をパネルから離した瞬間、惰性で思わぬ方向に画面がスクロールされることがあります。停止したい時にきちんと停止できるというのも、操作の気持ちよさにつながるんだなぁと1つ勉強になりました。また、細かい点ですが、タッチしたときの反応箇所が、意図したところよりも若干下の方向にズレているような印象を受けました。しかしこれは設定の中の「タッチパネル補正」で補正することで改善することができました。

カメラ

画質についてはここでは割愛します。一応、暗所でも明るく撮れるという裏面照射型CMOSセンサーを採用しています。カメラアプリの起動は早いです。またオートフォーカスも早いと思います。パシャパシャとテンポよく撮っていくことができます。インターフェースは標準的で、悪くありません。

写真を撮った後、確認画面でそのまま画像編集できるのが良いです。編集項目も多く、顔をスリムにしたり目をぱっちりとさせる効果を与えたり、顔だけにモザイクをかけたり、魚眼レンズ風にしたりと、なかなか楽しめます。まあこの辺はこれまでのシャープ製端末にも搭載されていた機能です。

通知バー

トグル設定の項目が細かく、明るさやFMトランスミッターのON/OFFも設定できるから便利です。本体設定にも通知バーから直接ジャンプできます。

また、端末の状態が通知バーで確認できるのは便利です。バッテリー残量のパーセント表示や、Wi-Fiの電波強度の確認などが簡単にできます。

電池持ち/発熱

私の使い方ではバッテリーは丸一日はもっています。レビュー記事を作成するために設定など結構いじくり倒しているにも関わらず電池消耗は比較的穏やかなので、バッテリーの持ちは悪くは無いと思います。

発熱に関して、連続使用時や充電中は端末下部が熱くなってきます。体感的に最高温度は40度後半といったところ。異常なほどではありませんし、発熱により機能が停止するといったことも私の使用環境では一度もありませんでした。バッテリー温度を計測したところ、非充電時で平均して35度~38度程度、連続使用時では最高46度まで上昇しました。

便利機能

  • FMトランスミッターは手軽に使えて便利。
  • エコ技設定はちゃんと設定すればツカエル機能。
  • おくだけ充電は楽しい。
  • 伝言メモは海外端末には無い機能。
  • 防水・防塵は雨の時などに安心。

FMトランスミッターは、別途機器を購入する必要がないので手軽で便利です。ワンセグやナビの音も飛ばすことができます。端末自体が発信機になるので、完全ワイヤレスで音楽などが楽しめます。Bluetooth対応のFMトランスミッターを使ってもワイヤレスで使えますが、どうしても音が劣化します。実際に聴き比べてみましたが、ZETAを使っての再生のほうが圧倒的に音質は良かったです。

ただしハンズオン通話はできません。着信があると再生中の音楽などは途切れ、ラジオのノイズが車内に響き渡ります。要するに一旦機能がOFFになるわけですね。

その他

  • 独自の設定ガイドがあり、初心者さんには分かりやすい。
  • AOSSがプリインストールされていて、初心者さんには分かりやすい。
  • 有料だけどフォントがいろいろ選べて良い。
  • 歩数計機能が嬉しい。
  • 標準の音楽プレイヤーはなかなか使いやすい。
  • イルミネーションが何だかんだで綺麗。
  • メーカー謹製の電話アプリ/電話帳アプリが無いのが嫌だ。
  • ワンセグはイヤホンを付けないと感度が悪い(田舎限定?)

総評

総合的なパフォーマンスは非常に高いです。人気のGalaxy S III SC-06Dと比較して、ディスプレイの精細感、発色、明るさ、屋外での視認性の高さが優れているように感じます。これだけで本機種を選ぶ価値はあると思います。動作についても案外いい勝負で、大きな差は無いといってしまっていいレベルです。安定性とタッチ操作時の反応の良さだけは一歩及びません。ここが改善されれば文句はないのですが…。アップデートに期待です。

機能の豊富さは圧倒的です。赤外線通信、防水・防塵、FMトランスミッター、伝言メモ、おくだけ充電など、この辺の機能に魅力を感じるなら迷う必要はないと思います。イルミネーションも個性的でいいですよ。