スマホ・タブレット レビュー

MateBook Eのレビュー。オンボロのノートPCに代わってすぐ即戦力として使えることが分かった

ファーウェイ製の2in1ノートPC「HUAWEI MateBook E」を借り、数日間使っていました。PCのことはよく知らないのですが、私なりの感想を綴ってみたいと思います。

どんなやつ?

まずHUAWEI MateBook Eの概要ですが、マイクロソフトのSurface Proと競合する2in1スタイルのWindows PCで、簡単に着けたり外したりできるカバー兼キーボード(以降キーボードカバーと呼ぶ)とセットで使うことで、タブレットとしてもノートPCとしても使うことができます。

主なスペックは、Windows 10 Home(64bit)、12インチ2160×1440ドットIPS液晶、第7世代Core m3/Core i5プロセッサー、4/8GBメインメモリー、128/256GB SSDストレージ、500万画素フロントカメラなど。今回試用したのは、Core i5+8GBメモリー+256GBストレージ構成のハイパフォーマンスモデル(税抜133,800円~)です。

なおMateBookシリーズにはもうひとつ「MateBook X」という製品もありますが、こちらは完全なるノートPCとなっていて、キーボードの着脱はできません。

結局タブレットなの?ノートPCなの?

使い方は人それぞれだと思いますが、メーカーは「2-in-1ノートブックPC」と言っているので、どちらかというとノートPCスタイルを主軸にした製品と言えます。MateBook Eは、初代MateBookでは別売りだったキーボードカバーが標準付属となり、さらにノートPCとしての色が強くなりました。

ノートPCとしての使い勝手

私がノートPCに求めることは、普段使っているデスクトップPCと変わらないスピードと効率で仕事ができることです。私の仕事は文章作成や簡単な画像編集、ウェブブラウジングが主です。

数年前に買った安物のノートPCをいまだに使っているのですが、こいつで本気で仕事をしようとすると、かなりのストレスがかかります。その理由は「見づらい」「遅い」「充電が面倒」の3点。簡単な仕事をひとつこなすだけで「ふ~~っ」となって、続けて仕事をやる気になれません。だからノートPCで仕事をするのは苦手でした。

ところが・・・、MateBook Eがその全てを解消してくれたんです。

見やすく美しい表示

モバイル環境ではディスプレイの見やすさは本当に大事なんですよね。見にくいと作業効率が落ちますし、体がとても疲れます。

MateBook EのディスプレイはIPS液晶で視野角が広いです。正面から多少外れても見やすさが変わりません。そして輝度が高く、スマートフォンのように明るさの自動調整もしてくれるので、例えば車内など日が強く射し込んでくるような場面でも、はっきり、くっきりと表示してくれました。

解像度が高いのも良いです。私のノートPCの解像度は1,366×768ドット。MateBook Eは2,160×1,440ドットです。一部の表示は150%にアップスケーリングされるとは言え、それでも作業スペースの広さには大きな違いがあり、たとえば画像編集ではスクロールする頻度がかなり減りました。圧迫感がなくなって、ほとんどいつもどおりの感覚で作業ができます。

映像の綺麗さで言えばデスクトップ環境をはるかに超えます。MateBook Eは12インチで2,160×1,440ドットなので画素密度は216dpi。一方、私のノートPCのモニターは118dpi、デスクトップPCのモニターは89dpiということで、その差は歴然。MateBook Eを使った後にほかのPCの画面を見ると、しばらく粗さが気になって集中できないほど違います。とても精細で「ようこそ画面」の背景画像を見るだけで引き込まれる感じがします。テキスト表示も綺麗で見やすい。また、ベゼルが狭いので没入感もあります。

仕事用PCとしてひとつ問題を上げるとすれば、それはディスプレイ表面の処理がグレア(光沢)であることです。わたくし、グレアのディスプレイで長時間仕事をし続けると、決まって頭痛がしてくるんです。特に窓際などの光が反射しやすい場所はヤバイ・・・。こればかりはアンチグレアの保護フィルムを貼って対処するしかありません。

本体やアプリの起動が速い

私のデスクトップPCはシステムドライブがSSDです。ノートPCはHDDだから本体・アプリの起動やファイル転送が遅い。

MateBook Eはデスクトップと同じSSD採用なので、体感速度はほとんど同じです。パッと取り出して、ササっと仕事して片付けるという感じで、スマートフォン感覚で使っていけます。容量は256GBもあれば私は十分です。

メモリーは8GBです。恥ずかしながら私のデスクトップも8GBしかありません。でもメモリー不足で困ったことはありません。MateBookでも同じで、ブラウザのタブをいくつ開いても、Officeを使っても、画像編集ソフトでゴリゴリやっても、全然重さや不安定さを感じませんでした。

側面には指紋センサーがあって、指をあてるだけでスリープ状態解除とWindowsへのログインが完了します。認証には時々時間がかかることがありますが、基本的には精度も高くて高速です。不満はありませんでした。

USBで充電できるのは有り難い

ノートPCのACアダプターって大きし重いですよね。そしてケーブルも太くて取り回しが大変。だからいつの間にか小まめな充電を忘れ、いざ使おうと思った時にはバッテリー残量が無かったりします。

MateBook Eに付属のACアダプターは私のノートPC用のアダプターに比べてずっと小さくて、持ち運びが楽です。本体と一緒に気軽に持っていけるから、使う先々で充電ができて、いつもバッテリー残量に不安がありません。プラグはUSB Type-C採用で、挿し込むのに向きを考えなくてよいのも良いです。

もしこのMateBookがレンタルではなくて自分で買ったものなら、きっとサードパーティー製のACアダプターとUSBケーブルを買って家の1階と2階でどちらでも充電できるように整えますし、モバイルバッテリーや、カーチャージャーも買い揃えます。これでバッテリー切れで困ることがほぼ無くなるはずです。

なおMateBook Eは初代MateBookでは非対応だった5Vモバイルバッテリーでの充電に対応しています。充電に時間はかかりますが、スマートフォン用のモバイルバッテリーでも充電できますから、緊急時の電源確保には十分です。

もしモバイルバッテリーでがっつり充電したければUSB PD対応の製品を用意します。USB PD対応バッテリーはMacBookでのユーザーレビューが豊富にありますから、選んだり入手するのは比較的簡単だと思います。

キーボードの使い勝手はどうか

スペックで言うと、キーピッチは19mm、キーストロークは1.3mm。ストロークが若干浅めではありますが、ちゃんとしたクリック感があって、しかも表面がしっとりとしていて滑らないので、なかなか打ちやすいです。少なくとも今使っているノートPCのキーボードよりは。

パームレストも革っぽい質感になっていて、あたりがソフトで熱も感じず、快適でした。

使いづらいと感じたのはカーソルキーです。Surfaceのキーボードも同じことが言えるのですが、キー1個分のスペースに上下2つのキーが無理やり配列されているので、誤入力が頻発してしまいます。また半角/全角キーとハイフンも極めて小さく、打ちづらいです。この3箇所は結局最後まで慣れることなく試用期間を終えてしまいました。

またファンクションキーの切り替えも煩わしいです。Fnキーがトグル式となっていて、しかも固定ができないので、気づかないうちにFnキーが有効になっていて、入力文字をカタカナ変換したいのに音量ミュートが発動してしまうというようなことが頻繁にあり、イライラさせられました。

Fnキーを無効にする設定はないのでしょうか。BIOSの設定変更やFn+Capsの同時押しなど一通り試してみましたがダメでした。「慣れ」によって改善できる問題ではないので困ったところです。

タッチパッドは精度も反応も悪くないです。タッチ操作の種類は豊富で、複数の指を使ってスワイプやタップをすることでいろいろな操作ができるようになっていて、カスタマイズも可能です。