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ソニーの2020年 新ミドルレンジ「Xperia 10 II」 特徴や旧モデルとの違いを知る

ソニーがAndroidスマートフォンの新しいミドルレンジモデル「Xperia 10 II(エクスペリア テン マークツー)」を発表しました。

特徴や、旧機種との違い、スペックなどまとめました。

見た目・大きさ

ディスプレイは6.0インチ。本体サイズは157×69×8.2mm、重さは151gです。

一般的なスマホよりも縦に長い形状が特徴です。横幅は逆にスリムで、厚みも少なく、フレーム部は丸みを帯びているので手によくフィットしそうです。

カラーバリエーションは、ミント、ホワイト、ブルー、ブラックの4色です。どれも日常に溶け込むような優しい色味で、性別や年齢を問わず、誰が持っても違和感のないデザインとなっています。

発売日

今春以降に日本を含む国・地域で発売されます。

具体的な発売日はまだ発表されていません。例年通りであれば各社の夏モデルとして6月頃の発売になると思いますが、今年は5Gサービスが開始される関係で、(本機種は5Gに非対応ではあるものの他の機種に引きずられる形で)いつもより前倒しで発売される可能性もあります。

どこから発売される?

どのキャリアを通じて発売されるかはまだ発表されていません。

昨年を振り返るとXperia 8もXperia Aceも、ミドルクラスの機種はキャリア(MNO)だけでなくMVNOからも発売されているので、Xperia 10 IIも同じように広く展開される可能性が高いです。

価格

価格についてはまだ何も発表されていません。

メーカーはミッドレンジモデル(ミドルレンジモデル)と位置づけているので、Xperia 8やXperia Aceと似たような価格、つまり5~6万円程度になると予想されます。

3分で知る!Xperia 10 IIの特徴

  1. 映画視聴が一層楽しくなる21:9 有機ELディスプレイ
  2. ナイトモード搭載のトリプルカメラ
  3. 軽く持ちやすい本体
  4. シリーズ始まって以来の高コスパ

Xperia 10 IIのディスプレイはアスペクト比(長辺と短辺の比率)が21:9で、長辺が一般的なスマホのディスプレイよりも少し長くなっています。21:9はシネスコサイズと呼ばれ、映画館のスクリーンの比率と同じです。視界に収まりきらないほどワイドな映像はとても大きな迫力を生みます。しかも液晶ではなく有機ELディスプレイディスプレイ(OLED)が採用されているので、より鮮やかでコントラストの高い、迫力ある映像が期待できます。

縦長であることはウェブサイトやSNSのタイムラインを表示するのにもメリットがあり、一度に表示できる情報量が多いので、スクロール回数が減ります。また、画面を2つに分割して2つのアプリを同時に操作する「マルチタスク」もはかどります。

カメラは標準(広角)、超広角、望遠のトリプルカメラです。シーンに応じて画角を自由に切り替えて撮影できます。また、ナイトモードに対応し、暗いシーンでも明るい写真が撮れるとされています。

Xperia 10 IIの本体は約151gと、同じくらいの大きさのスマホと比較して軽量です。横幅はスリムで厚みも少なく、エッジは丸みを帯びているのできっと手によくフィットし、長時間の利用でも疲れにくいと思われます。

今年のソニーのミドルレンジモデルはコストパフォーマンスの面でも並々ならぬ努力を感じます。高解像度の有機ELディスプレイや、超広角~望遠までをカバーするトリプルカメラは、この価格帯のスマホでは珍しいです。

プロセッサはミドルレンジ向けの中でも比較的新しいモデルが採用され、バッテリーは3,600mAhと大容量。さすがに5Gには非対応ですが、普段使いにおいてストレスを感じない、ワンランク上の性能が期待できます。

旧モデルとの目立った違い

Xperia 10 IIは、昨年海外で発売されたXperia 10の後継機種です。日本ではXperia 10は発売されず、日本向けの機能を追加したXperia 8が代わりに(?)発売されました。また、同じくミドルスペックのモデルとしてXperia Aceが発売されました。これらの機種との主だった違いをまとめました。

大幅な軽量化

Xperia 10 IIは本体サイズやディスプレイサイズはそのままに、重量のみ大幅な軽量化が図られています。5インチ以上のディスプレイを搭載した歴代のXperiaの中で、トップクラスの軽さを誇ります。

5インチのXperia Ace(154g)よりもさらに軽いというのが驚きです。Xperia Aceは左右フレームと背面がプラスチックでしたが、Xperia 10 IIはフレームも全部メタルで背面にはガラスが使われています。普通に考えると軽くなるはずがないのですが、軽くなってしまいました。不思議です。

パフォーマンスが向上

Xperia 10/8/AceにはSnapdragon 630というプロセッサが搭載されていましたが、Xperia 10 IIではSnapdragon 665という、より新しく高性能なモデルが採用されました。

Snapdragon 665はSnapdragon 650の後継で、Snapdragon630よりグレードが少し上のラインです。CPU、GPUともに性能が大幅に上がっていて、たとえばゲームでは、さすがに重量級の3Dゲームは厳しいままでしょうが、それ以外の大抵のゲームはより快適にプレイできるようになっていると思われます。

また、バッテリー容量が3,600mAhへと2~3割増えていて、バッテリー保ちも大きく改善されているはずです。

なおSnapdragon 665は、完全ワイヤレスイヤホンで音ズレを軽減し電池もちを長くする「TrueWireless Stereo Plus technology(TWS Plus)」に対応しています。ただしXperia 10 IIでこの機能を有効にできるかは不明です。

有機ELディスプレイを採用

2018年に発売されたXperia XZ3以降、Xperiaのフラグシップモデルには有機ELディスプレイが採用されてきましたが、ミドルレンジモデルではXperia 10 IIが初の有機ELディスプレイ搭載モデルとなります。

液晶と有機ELにはそれぞれ特性があり一概にどちらが優れているとは言えないものの、スマホにおいては、本体を薄くできる、ダークモードの効果を得やすい(バッテリー消費を抑えられる)、写真や動画をダイナミックに表示できるなど、有機ELの方がどちらかというと有利とされていて、特に映画視聴に最適な21:9ディスプレイを持つ近頃のXperiaシリーズとは相性が良いと言えます。

しかしながら有機ELパネルは液晶パネルに比べてコストが高いとされています。ミドルレンジモデルに高解像度のものを、となるとコスト的にそれほど簡単なことではなかったと思われますが、見事に実現されました。

3眼+ナイトモードで対応力がアップしたカメラ

Xperia 1で初めて搭載されたトリプルカメラがミドルレンジモデルまで落ちてきました。焦点距離が広角側から16mm、26mm、52mmとなっていて、標準カメラを基準にすれば2倍の光学ズームが可能です。

昨年はスマホ全体でマルチカメラの採用が一気に増えましたが、標準+望遠、あるいは標準+超広角のように、望遠と超広角のどちらか一方しか搭載されていない機種も多いです。

Xperia 10 IIでは超広角から望遠まで広いレンジに対応しているうえ、ナイトモードも新たに追加されたので、より多くのシーンで「撮りたい写真」が撮れるようになりました。

マルチウィンドウがもっと便利に

画面を2分割して2つのアプリを同時に表示するマルチウィンドウ機能に、「マルチウィンドウスイッチ」という機能が追加されました。上下それぞれの画面を横にスライドするだけで2つのアプリを簡単に切り替えられるそうです。

ディスプレイの左右端を素早く2回タップすることでアプリランチャーを呼び出せる「サイドセンス」は引き続き搭載されています。

上位モデルとの違い

上位モデルであるXperia 1やXperia 5、Xperia 1 IIとの違いを簡単にまとめました。

まず当然ですが動作パフォーマンスが圧倒的に違います。上位モデルにはSnapdragon 855/865、6GB以上のメモリが搭載されていて、特に動画編集や3Dゲームなど重量級のアプリを使用したときに差が出ます。一方でバッテリー容量はXperia 1/5よりもXperia 10 IIの方が多く、電池もちは期待できそうです。

ディスプレイは、同じアスペクト比21:9の有機ELディスプレイではあるものの、上位モデルはHDR規格、BT.2020の色域、10bit信号、HDRリマスターなどに対応した「シネマワイドディスプレイ」と銘打たれた最高品質のディスプレイが搭載されています。表現力に大きな差があるものと考えられます。作品本来の色合いや階調を再現する「クリエイターモード」も非搭載です。

カメラについて、Xperia 1/5のトリプルカメラと焦点距離は同じですが、レンズやセンサー、ソフトウェアは異なるものとなっています。瞳AFやAF/AE追従連写も使えません。手ブレ補正機能は電子式のみに対応しています。また、カメラのシャッターキーが搭載されていません。逆にXperia 10 IIは、(どの程度有効かは未知数ですが)暗いところでも撮影できる「ナイトモード」を搭載しています。

オーディオ面では、ハイレゾ、DSEE HX、aptX-HD、LDACに対応するところは同じ。内蔵スピーカーがモノラルなのは残念ですが、Xperia 1/5には無いイヤホンジャックを備えているのは○。

このほか、指紋センサーが電源ボタンと一体化されているところもXperia 1/5には無いアドバンテージです。操作がシンプルになります。

国内版がまだ発表されていないので推測となりますが、Xperia 8、Xperia Aceがワンセグ/フルセグに非対応なので、Xperia 10 IIも非対応となりそうです。

価格帯が大きく違うので、このように差が出るのは当然です。肝心なのは、そこまでの高機能・高性能が自分にとって必要なのかを考え、適当な方を選択することだと思います。新機種が発表されてXperia 1/5が値下がり傾向にある点も踏まえて検討したいところです。

スペック

※フルバージョンはこちら
※黄色背景は他モデルに対してアドバンテージがあることを表しています。

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