スマホ・タブレット レビュー

パナソニック初のスマートフォン「P-07C」のデモ機レビュー、マルチタッチ時の挙動がおかしい

docomo p-07c

docomo p-07c

東京・有楽町のドコモスマートフォンラウンジにて「P-07C」を触ってきました。

P-07CはNTTドコモの2011年夏モデルで、パナソニック初のスマートフォンとなります。OSはAndroid2.3を搭載し、1GHzシングルコアCPU(TI OMAP3630)、512MBのRAM、1GBのROMという今夏モデルの標準的構成。ディスプレイは比較的大型となる4.3インチ(FWVGA)が採用されています。

見た目はかなり大きめです。それもそのはず、128×67×14.0mmと今夏モデルの中でも最も大きいサイズだからです。しかし手に持ってみると意外とすぽっと収まります。背面にかけて緩やかなラウンドフォルムになっているため、ゴツさはそこまで感じません。

背面からみるとこんな感じで、丸みが強いことが分かります。カメラ付近のデザインはとってもシンプルです。フラッシュと赤外線ポートが見えます。

前面の操作キーは大きさも丁度よく押しにくくもなくて良いと思います。端末側面には本機の特徴的なデザインであるグラデーションレイヤーが見えます。好き・嫌いは別として、このように「おしゃれ感」を前面に打ち出した機種もスマートフォンでは珍しいのではないでしょうか。右側面にはボリュームボタンとサーチボタンがあります。左側面には何もありません。

端末上面にはmicroUSBポート、電源ボタン、ワンセグ用アンテナがあります。microUSBポートには国産端末らしくカバーが備わっています。電源ボタンが上面にあるのは個人的には好きです。位置を迷わなくて済みます。底面にはマイク口があります。

ホームアプリはアンドロイド標準ホーム、docomo Palette UI、パナソニックオリジナルのタッチスピードセレクターの3種類がプリインストールされているようです。タッチスピードセレクターは、右の写真のようにアイコンが円状のラインに沿ってスクロールする面白いインターフェースです。使い勝手はというと・・・、微妙です。なぜなら、表示されるアイコンの追加や位置変更などの編集が一切できないからです。また、ウィジェットやショートカットも配置できません。スクロールの動きはスムーズでした。

このタッチスピードセレクターはホーム画面の基点となるページで、右にスクロールすることで通常のホーム画面を使うこともできます。ここへはウィジェットやショートカットを配置することが出来ます。タッチスピードセレクター画面を含めてページ数は5ページでした。

ドロワーは横スクロールタイプです。下部にタブが設けられていて、目的のアプリにすぐにアクセスできる仕組みになっています。動きは試作機だからなのか、結構モッサリしてました。

通知エリアでのクイック設定機能はありません。ホームキーを長押しすると起動中のアプリ一覧が表示されます。ここでタスクキルも出来ます。

本機には他のスマートフォンにはない女性向けの面白いアプリがいくつかインストールされています。その1つが「壁紙デコ」というもので、好きな壁紙に用意されたスタンプを貼り付けて、自分好みの壁紙を作成することが出来るといったものです。

次のアプリはソフトウェアキーボードの大きさやデザインを変更できる「フィットキー」というものです。定められたフィールド内で縦横自由にサイズを変更したり、背景を変更したり、スタンプを押して飾ったりできます。

その他「Future Plus」という情報を一箇所に集約して閲覧できるアプリや、写真から絵文字が作れる「とるキャラ」などが用意されています。

Quadrantでのベンチマークスコアは1235という値でした。Optimus bright L-07Cと同程度といったところでしょうか。グラフィックス性能を測るNEOCOREでは37.1FPSという値でした。

動作については、まだ調整段階であるためか節々でカクカクするところがありました。特にドロワー(アプリ一覧)でのページ遷移時にそう感じました。ブラウザでの動きは概ね良好でした。画像等の読み込みも速く感じました。

タッチパネルの精度や操作性は悪くありません。指への追従性もそこそこといったところです。しかし残念だったのが、マルチタッチ時の挙動がおかしいところです。下の動画をご覧いただければおわかりになると思いますが、結構の頻度で実際の指の動きとは真逆の認識をしてしまいます。ここはリリース版までに是非改善して欲しいところです。

総評

端末サイズはたしかに大きいですが、丸みが強調されたフォルムなので思っていたよりもゴツさは感じません。むしろ大きめのディスプレイと持ちやすさを評価すべきなのかもしれません。側面のグラデーションレイヤーもなかなかオシャレで、何人もの女性が気になって手にとっていました。

個性的なアプリを導入したのもなかなか思い切った挑戦です。スマートフォンの分野で出遅れたパナソニックが、他と違う路線でなんとか成果を上げたいとする考えが垣間見えます。初めてスマートフォンを持つ女性にとっては手っ取り早く楽しむことが出来るツールとして存在価値がありそうです。

動作面では概ね許容範囲ではありますが、動作の節々で感じるカクカクや、マルチタッチでのおかしな挙動を是非改善してもらいたいところです。